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国内で結婚する新郎新婦には縁がないため、気に留めないかもしれませんが、国際結婚をするカップルにとっては相手国の結婚式の様子を知ることは非常に重要です。結婚式はお国柄がよく出る行事の一つですので、文化の違いに圧倒されてしまうかもしれません。
そこで世界各国の結婚式事情についてご紹介していきます。
今回は現代でも伝統的な結婚式が行われているパプアニューギニアを取り上げます。現地の人々にとって結婚はシングルの始まりとも言われています。その理由も含め、パプアニューギニアの結婚事情に迫ります。
1.パプアニューギニアとはどんな国?
パプアニューギニアは赤道のすぐ南、南太平洋に浮かぶニーギニア島の東半分と600もの諸島からなる国です。美しい海や山が豊富に残っており、リゾート地として世界中から人々が訪れます。
現地の人々の暮らしは伝統的な生活が今でも続いています。地域によっては近代文明との接触がなく、第二次世界大戦があったことすら知らない民族もいるそうです。儀式やしきたりも重視され、結婚式でも伝統が色濃く残っています。
2.結納は必須!
伝統的なしきたりの一つに結納があります。日本もかつて結納をするのが当たり前だったように、パプアニューギニアでは今でもそのしきたりが残っています。
●日本の結納と異なる点
日本は結納の際、金銭を渡しますが、パプアニューギニアでは『豚』を送るところもあります。民族によっては豚は家畜ではなく家宝として用いられています。婚礼の資金(結納)や、喧嘩の和解や民族同士の紛争の賠償として利用され、収入がなくても豚に与える餌は欠かさないほど大切にしています。豚を食べるのは、大切な儀式のときのみと決まっているそうです。
結納の豚の数は平均4〜5頭で、新郎側から新婦の家族へ贈られます。
最近では豚ではなく金銭のところもあるようですが、結納金は法外な額であるため、都市部に出て何年も働いて結納金を貯める人もいます。
3.結婚式も伝統的スタイル
パプアニューギニアでは伝統的な結婚式が一般的です。教会やレストランで披露宴を行う人は少なく、伝統的な儀式に則って執り行われます。
●伝統的な服装
農村部では特に伝統的なしきたりが残っています。顔に化粧をし、草で作られた伝統的な衣装に身を包み、独自の文化に沿って結婚式が行われます。
●ゲストについて
パプアニューギニアの結婚披露宴の人数はカップルや村によって異なりますが、盛大な結婚式の場合は300人ほどになることもあります。結婚披露宴への参加者は新郎新婦の両親、親族、村の人々です。結婚式は村にとって大きなイベントの一つです。
●食事
農村の場合、結婚式は基本的に村が主催となっておこなれます。村の人々が伝統的な料理を作り、ゲストに振舞うというスタイルが一般的です。村が一体となって行われるパーティーのようなものです。
●二次会
都市部では欧米スタイルの結婚式が増えてきており、二次会を行う結婚式もあります。しかし、農村部では大きなパーティー会場などがないため、村の中で二次会らしきものが行われます。
食事の後は皆で伝統的な踊りをし、お酒を飲み、新郎新婦を祝福するというものです。
4.結婚がシングルの始まり?過酷な新生活
農村部では結婚後の生活がとても大変なようです。結婚すると、その村のしきたりに沿って、新郎側あるいは新婦側の村に新居を構えるが一般的です。いざ新婚生活がスタートしたと思うと、男性は都市部に出稼ぎに出なければなりません。結婚時に新婦側から新郎に対して多額のお金が要求されるためです。
両親同士の取り決めで決まった結婚ならばそれなりの金額ですが、本人同士の恋愛結婚だった場合、その額は跳ね上がるようです。現金収入が元々ない農村部の人々にとっては、都市部で1〜2年働かないと資金を集められません。せっかくの新婚生活のスタートは単身赴任という何とも矛盾した生活が待っているのです。
おわりに
観光地として人気のあるパプアニューギニアですが、結婚のしきたりは随分伝統的なものですね。都市部と農村部で結婚式のスタイルやしきたりも差が開いてきていますが、今でも伝統儀式として残っている場所もあります。新郎の中には、農村部から出稼ぎに出て、そのまま都市部に移り住むというケースも増えてきているため、過疎化が進む心配もあるようです。