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引出物を選ぶときはどんなものが好まれるか、と悩みますよね。実は地域によっても選ばれる品が異なるんです。友人の結婚式に参列した方の中には地域性を感じたことがあるという方ももしかしたらいるかもしれませんね。
これが全て、というわけではないのですが、地域の特色を生かした引出物をご紹介します。
今回は全国でも比較的派手な婚礼が多い地域、甲信越、かつて文化の発祥の地であった関西について見ていきます。
1.甲信越
この地域は引出物の特色もありますが、数と種類が他の地域と異なっているのが特徴的です。
●新潟県
北陸の中でも特に引出物が豪華なのが新潟県です。数は5品が基本。メインの品、引菓子、かご盛り、赤飯、松の葉です。
引菓子は最近、洋菓子が多くなりましたが、元々は親族や上司には和菓子、友人には洋菓子というように分けて贈っていました。
松の葉が他の地域にない習慣で、東海地方でいうところの「名披露目」です。新郎新婦の名前を書いた熨斗をつけた品物のことです。品物の種類はタオルや手ぬぐい、扇子などが多いです。
かご盛りとは、元々は旬の果物を選んで贈っていましたが、日持ちしないことから最近ではハムやかつお節など日持ちのするものを詰める人が多いようです。地元の特産品をかご盛りにする人もいます。
赤飯は、縁起の良い食べ物として全国でも知られていますが、新潟では引出物の一つに加えられます。地域によって使う豆や味付けが異なるので、同じ新潟県内でも色々な味を楽しめます。赤飯の代わりに長岡では醤油おこわを贈る家もあるようです。
●長野県
引出物の熨斗は新郎新婦両名です。新婦さまのおみやげとして、1,000円くらいのタオルや風呂敷を一緒に贈る地域もあります。この新婦さまのおみやげには新婦さまのお名前のみの熨斗をつけます。
●山梨県
引出物の呼び方が種類によって異なるのが特徴です。「大引き」「中引き」「小引き」と3種類に分けられます。大引きには陶磁器や食器類、中引きにはかつお節、小引きには引菓子が選ばれます。引出物の相場は6,000円程度です。
食器類はスープカップ5つセットや湯のみ茶碗セットなど、来客時に使用できるようなものが多く選ばれ、引菓子にはバームクーヘンなどが贈られます。
2.関西
関西は京都や大阪など歴史的に見ると、文化発展の中心地域でした。結婚式のやり方が最初に確立したのも関西圏だといわれています。
●大阪府
結婚式も派手なイメージはありますが、最近では全国平均とあまり変わらないようです。引出物は記念品と引菓子の2品が一般的で予算も5,000円程度です。
商人の町という意識の高い地域や親戚付き合いがある場合には「かつお節」を縁起物として追加する場合があります。
●京都府
伝統がまだ多く残っているのではないか、と思われがちの京都ですが、最近では多様化しています。結婚式自体は格式の高い神社で行い、パーティー会場で披露宴といったカジュアルな雰囲気で、というカップルも多く見られます。引出物も同じで、全国平均と変わらず、品物も特別決まったものはありません。
ただ、京都はお菓子の種類が豊富にある地域なので、引菓子に京都の和菓子や抹茶を使ったものなどを利用する人が多くいます。
●滋賀県
引出物の数が3〜5品であることが特徴です。一般的にはワレモノや壊れやすいものは縁起が悪いと避けられますが、滋賀県ではマグカップなども人気があるようです。滋賀名産の信楽焼などの器類は特に人気があります。
引菓子は和菓子が通例です。「嫁入りまんじゅう」と呼ばれる紅白のお餅が添えられます。
●和歌山県
引出物の品数は奇数であることが原則で、昔は折り詰めが定番でした。最近では、和歌山県特産のかまぼこや梅干しを引出物にする人も多いようです。
おわりに
甲信越と関西の引出物は費用も量も品物も大きく違うことがわかりました。甲信越はしきたりに沿って結婚式をすすめるところが多く、関西は意外にも現代的な式が多いようです。また派手婚のイメージも関西の方がありましたが、実際にはそうでもないようです。奈良県はゲストの人数が少なく、披露宴の費用も全国平均に比べると低いです。(結納は全国トップと言われています)
どちからといえば、昔ながらの伝統を重んじながら行う結婚式の方が引出物も豪華になる傾向があります。