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最近、和装を好まれる新婦さまも増えてきます。洋装はウェディングドレスにヘッドセット…と想像がつきやすいのですが、これまで浴衣くらいしか着たことがないという新婦さまにとっては和装にはどんな小物があるのか知らない、という場合があります。
種類も色々とあり、和装小物を選ぶのも楽しいですよ。今回は和装小物についてご紹介します。
1.綿帽子&角隠し
和装の際の定番の髪型、ヘッドセットのことです。
●綿帽子
白無垢姿の時に被ります。白無垢にしか合わせることができません。日本の女性なら一度は憧れたことがある姿ではないでしょうか。ヘアスタイルは文金高島田を結った頭の上に額まですっぽりと多いかぶせませす。
綿帽子の歴史は室町時代までさかのぼります。室町時代後期以降、女性が外出するようになり、その際の埃よけや防寒具として使用されていたのが起源です。
現在、結婚式で用いられるものは、洋装のベールの代わりをするものです。挙式が終わるまでは、新郎以外に顔が見られないようにという意味が込められています。初々しさや奥ゆかしさの象徴として人気があります。
●角隠し
角を隠すためのもの、つまり自分の意見を言わずに夫に従順になるという意味が込められたヘッドドレスです。文金高島田を結った髪の上に被ります。帯状の幅の広い布でトップには飾りが付いています。
白無垢、色打掛、引き振袖、どのスタイルにも合わせることができます。
2.帯
●丸帯
誕生したのは江戸時代中期。女性用の帯として、戦前までは最も格式の高い第一礼装用の帯として用いられていました。戦後に袋帯が誕生し、丸帯よりも結びやすく軽いことから、普段使いには袋帯が使用されるようになりました。丸帯は現在、婚礼衣装や舞妓の衣装として用いられています。
丸帯は袋帯に比べて、両面に同じ柄が入るため、とても華やかで婚礼衣装には向いています。
●帯締め
帯を留めるための紐です。たかが紐といっても、帯締めにはたくさんの種類があります。普段使いの一色のものから飾りのついた振袖用、訪問着用の淡いグラデーョン入りのものなど選ぶのも楽しいですね。
●帯揚げ
帯の上に被せて飾る布のことです。帯から少し見せるため、着物や帯の模様や色と合うかどうかも考えて選びます。帯の結び目が落ちないようにするのが本来の目的です。
3.縁起物の小物
大きく見えないけれども、色々な小物が胸元に隠れているのが和装の魅力の一つでもあります。代表的な3つの小物は以下の通りです。
●扇子
別名「末広(すえひろ)」と呼ばれます。末が広がっていることから縁起物として扇子を持ちます。幸せが末永く続くようにという願いが込められています。
婚礼では金や銀の色の扇子が一般的です。写真撮影のときには敢えて手で持ちますが、普段は胸元にしまっておきます。洋風のオシャレ扇子のように仰ぐことに使うのはNGです。
●懐剣
「かいけん」と読みます。和装の際に帯に指す短剣です。元々は武家の女性が護身用として短剣を身につけていたことに由来しています。この習慣が女性のたしなみとされ、婚礼の際には長刀や短刀が嫁入り道具にもなっていました。
現在では、新しい人生の始まりでもある結婚生活を行う新婦さまを、災いから守ってほしいという願いを込めて懐剣を指しています。
●はこせこ
漢字では箱迫と書きます。打掛の胸元の襟部分に指します。江戸時代に誕生した伝統的な小物の一つで、中には懐紙や薬、時にはおしろいや化粧道具も入れられていました。江戸時代の女性にとってはお化粧ポーチのような役割を果たしていました。
現在、婚礼用にピンクや紫などの色も豊富に出ており、パールがついているものまであります。
おわりに
和装婚礼衣装には様々な小物があります。髪に飾りをつける「かんざし」を始め、何となくは知っていた、という人は多いのではないでしょうか。由来や意味することを知っていくと、和装も奥が深いですよね。
今では同じ小物でも少しカジュアルなものや豊富な色使い、そしてゴージャスな装飾があり、選ぶのも楽しいですよ。